臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

ロカモドォール

この辺りの気候は変わり易い。

いきなり大粒の雨が落ちてきたかと思うと、からりと晴れあがったり、

これが一日に何回か繰り返される。

もう4時、何処にも寄ってる時間はない、一目散にロカマドォールに向かう。

口惜しいことに、急げば急ぐほど道を間違える。

街を通り過ぎる度に街の名と次に通るべき街の名を、地図で確認しするのだが、

悲しいことに、一度や二度見てもフランス語の街の名が覚えられないのだ。

少しでも近道をしようと、 メイン道路から外れた田舎道を走るから、ますますややこしい。

北に進んでいる筈が、何時の間にか南に進んでいたりする。

運転席と助手席の真ん中に磁石を置いて走っている。

これは後で気が付いたのだが、いつも針は右が北を指している。

おかしいと思ったら、やはり、おかしかった。

磁石の下に磁力の有る物が有ったらしい。

こんな事も有って、ロカマドォールに着いたのは、もう6時過ぎ、 予定の倍の時間掛かってしまった。

何処を観ても、凄い凄いの単細胞だが、谷を挟んで見るロカマドォールは凄い。 凄いの上が有ればそれが当てはまる。

$旅物語

青空にそそり立った断崖にへばり付く幾つもの教会、 礼拝堂、塔、銃眼の覗く砦の銃壁、中世の聖地の威容だ。

旅物語

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車を降りて長い石段を登る。

両側がレストランや土産物店でギッシリ詰まった狭い、人でごった返している賑やかな通りに出た。

流石に有名な観光地、南フランスのレボーやゴルドより人が多い。

日本人は見当たらない、 そう言えばブリーヴに着いてから日本人には全く会っていない。

例のミニトレインが来たので飛び乗る。

上に上がるのかと思ったら、何と駐車場まで下りてしまった。

そのまま乗っていたらまた元のところに戻った。 快適は快適だが、時間がないときに限ってこうだ。

今度はエレベーター、 「途中までか、頂上までか?」 と聞くので、

「頂上まで」と言うと、下りると其処は駐車場、全くついていない。

中世のフレスコ画の有る礼拝堂も横目で見て、

その昔巡礼の群れでごった返した石段を急ぎ足で降りる。

遠路はるばる辿り着いた巡礼達が幾日も滞在して祈りを捧げた聖地、

こちとらは、たったの30分でおさらばだ。

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