臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

アモイ  客家 3

バスは大平野を快適に走る。
ゆったりした座席、道も素晴らしい。
途中から道の両側に見渡す限りバナナ畑が連続する。
トイレ休憩のついでにバナナを齧る。

 

この間の姚安付近では、頭から吊るした籠に玉蜀黍が一杯だったが、



この辺りのバイクはバナナを満載している。
両側の山が次第に近づくと、やがて、谷川に沿った山道、
雲南の険しさに比べたら穏やかな山並みの峠を幾つか越えて、
アモイから5時間、山間の街、永定に入る。

三人の盛装した女性に笑顔で迎えられる。
予約したホテルからのお出迎えだ。
この街で一番大きいホテル、三つ星位は有りそうだ、悪くない。

 

早速、食堂、大宴会の後らしく彼方此方にビール瓶が転がっている。
女の子たちも疲れ切っていたのか、生返事。
やっと、食事が出揃ったと思ったら、ガタガタと掃除を始める。
終にAが一人の女の子とやり合い出した。
早々に引き上げて、外で飲み直す事になる。
もったいない、折角の出迎い、愛想の良い受付、清潔な部屋、
感じの良いホテルなのに....
明日はホテルを変えることで意見が一致。

通りに出る、今までの街とは何か雰囲気が違う。
壁板に文字を書いては消し勉強している少女達、

 



楽器を奏でる老人の一団、道端に茣蓙を広げた露店、
次第に気分が安らぐ。

街の中央の広場、並んでいる屋台の一つに腰を下ろす。
愛想の好いおばちゃん、黙っているが笑顔を絶やさない小父さん、

  



手際よくテーブルに食事、飲み物を運ぶ利発そうな男の子、まだ中学生?
「この子は将来日本へ留学希望なんだよ」
自慢の息子の様だ。

飲み物を注文すると、その息子が、近くの酒屋に飛んで行って持ち帰る。
「幾ら幾らです」
とお金を受け取る。
我々が買っても同じ値段、屋台では食べ物だけを売ってるのだ。