臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

出羽三山記 (1)

上越新幹線で新潟まで、新潟から鶴岡へ北陸本線?、

左に日本海、大きな島が見える。
「あれは佐渡ヶ島?」
新潟生まれのMさんの返事は浮かぬ顔だ、
「多分」
島は左窓に広がる日本海の大半を占めている。
皆、「多分」に納得。
(後日談:何と無く腑に落ちない顔をしていたMさんから報告があった。
あれは佐渡では無く粟島とのことだ。)

鶴岡は羽黒山の麓の町、
とは知っていたが初めてだ。
駅前でレンタカー、6人乗りワゴン、
運転手はIさん、ナビゲーターは珍しく此処まで酒気のない私、

近頃のカーナビは凄い、目的地をセットすると、
全く寸部の狂いが無く、音声付でガイドしてくれる。
ナビゲーターは唖然とするだけだ。


まず、注連寺、創設は空海。

 



木造の建物、柱の彫刻に風雅を覚える。

 

 

湯殿山は女人禁制、
特に女人の為に、祈祷を行い、お注連が出来るようにしたとか。



高徳の僧「鉄門海上人」の即身仏は霊気を誘う。
即身仏は、自然ミイラや人工ミイラとは異なり、
自ずからの意志によって即身仏となる入定ミイラをさす。
木食行(穀物を一切口にしない修行)を千日以上続けた後、
土中に造られた石室に入り、念仏を唱えながら死を待つのだ。
凄まじい、我々俗人には考えられない事だ。
俗俗が自慢の一同、少なからず俗気を意識する。

 

   

境内の桜の老樹は時期を違えて二色の花をつけるのだそうだ。
森敦は、
此処で過ごした一冬の体験、注連寺とその周辺を題材に「月山」を著した。