臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

出羽三山記 (4)


羽黒山
案内書に、
「開山は約1,400年前、第32代崇峻天皇の皇子である峰子皇子が三本足の霊烏に導かれ、
羽黒山に登拝し、羽黒権現を獲得、山頂に祠を創建したのが始まりとされている。
皇子はさらに月山権現と湯殿山権現を感得し、三山の開祖となった。
以後、羽黒派古修験道として全国に広がったのである。」
とある。
子供の頃から、力士羽黒山とともに天狗の羽黒山、として親しんできた。

何はともあれ、五重塔を目指す。
山門を潜と樹齢300年の杉木立、

 

鄙びた石段を降りて登ると鬱蒼と茂る杉林の中に五重塔が現れる。
周囲の杉の木の方が五重塔よりも背が高いのには驚かされる。



 



 

 

 有難や雪をかほらす南谷   芭蕉

はこの辺りを詠んだ。
羽黒山三神合祭殿。

 

出羽三山の内、月山、湯殿山は冬季は豪雪の為参拝が困難だった。
その為に、比較的低山の羽黒山に、
三山の祭神を合祀した三神合祭殿が出来たと言う。
大きな大きな本殿、けばけばし過ぎる。



中庭にでんと居座る萱葺きの切り妻造りの鐘楼、



少し離れた蜂子神社の方が趣がある。



 

境内には古今の歌碑・句碑が立ち並ぶ。

 涼しさやほのみか月の羽黒山   芭蕉