臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

成都記 11  四姑娘山6

海抜4523mの巴朗峠に小さな祠がある。
中を覗くと可愛い仏像が微笑んでいる。










海抜4523mは半端ではない、富士山よりも高いのだ。
峠からの下りは豪快だ。 
出会い頭にぶつかったらしい一台のトラックが谷底に転がっている。
カーブミラーは皆無と言っていい、その代わり、しょっちゅう警笛を鳴らす。
勿論、ガードレールも無い。
そんな道を結構なスピードで飛ばすのでハラハラドキドキの連続、
180度に近いカーブを曲がる時は神に祈る。





二時間もそんな道を走り、バスが次に止まったのは紅葉の名所だそうだ。
日本で見事な紅葉に見慣れている私には物足りない紅葉だ。

 

昼食休憩。
粗末な食事、喉に通らない。
米飯をお代わりする人も居る。



近くをブラブラすると、
道の両側に幾つかの人だかりが出来ている。
如何にも少数民族の感じの小母さん達が薬草を売っている。
冬虫夏草が一片一元。
同じツアーの女性が値段交渉をしている。

別の小母さんが私のところへ寄って来た。
如何にも人の良さそうな小母さん、
真っ黒な笑顔から零れる歯が真っ白い。
冬虫夏草は高価と聞いているが相場は判らない。
良いお土産になりそうだ。
半額から始めてみようと、
「一つ5角」
と言ってみた。
ノー、と言わない。
言ってみるものだ。
30本買う。
先に買った女性が文句を言っている。

ガイドに冬虫夏草を見せると、
「ニセモノが多いのよ」
と手にとってしげしげ眺め、
「大丈夫、本物みたい」
お墨付きを貰って良い気分だ。