臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

続昆明記18

ジ海の豪華?船

波止場には豪華船が待ち受けている、が、切符売り場のような物が見当たらない。
横殴りの雨も益々勢いを増す。
丁度やって来た観光バスから降りた団体客がゾロゾロと船に乗り込む。
何となく団体客にくっ付いて船に乗り込む。
三階建ての豪華船だ。
あれよあれよと言う間に、船が岸を離れた。
此処は、南北に耳の形をした「ジ海」の北の端に近い西岸
大理古城は南の端に近い西岸に有る。
ところが、船は真東を目指している。
何処かへ寄り道するらしい。

いつの間にか雨が止んで「ジ海」の周辺の山々が稜線をあらわし始めた。







やはり船にして良かった、快適だ。
売店でビールを求める。
「冷えたの無いの?」
小母さんが首を横に振る。
おかしなもので、中国生活に慣れてくると、
生ぬるいビールもそれ程違和感が無くなった。
隣に座った男に話掛けてみたが、仲々、通じない。
どうやら広東から来ているらしい、酷い訛りだ。
向うも同じ事を考えているだろう。
気が付くと、乗船客の誰もが胸にバッチ、○○観光、を付けている。
どうやら団体客の貸切船に紛れ込んでしまったらしい。

西岸の何処かへ立ち寄ったら船を乗り換えようと思っていると、
船はその西岸すれすれに近づくと大きくカーブして小島の岸壁に横付けする。
島の奥の方に大きなホテルの屋根が見える、







団体客はガイドに案内されて島一周のコースに向う。
切符売り場のような所がある、
「大理古城へ行きたいのだけど...」
係員は、何言ってんのと言う顔付き、
「大理古城へはその船しか行かないよ」
今乗ってきた船だ。

覚悟を決めて豪華船の船旅を楽しむ事にする。



 

 

ガイドさんが何かお土産のような物を配りだした。
ビールも手伝って私も手を出してみた、ガイドさんはニッコリと、
「あなたは私達のグループではないでしょ」
やはり商売人、自分の客をよく見極めている、などと変な感心をする。

幾つかの観光どころを廻った船は大理古城を目指す、
と思い込んでいたら、遥か古城を右に見て南へ向う。
「ジ海」からの古城の眺めも捨てた物ではない、三塔が霞んでいる。
船は「ジ海」最南端の下関、日本の下関と姉妹都市と聞く、の岸壁へ着岸、
ブラスバンドで民族衣装の娘さん達の見送りを受けて船を下りる。







で、料金を支払おうとしたが、それらしき人も見当たらない。
団体客達の群に押し出される。