臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

続昆明記 25 麗江・「(牛偏に毛)牛坪」...ヤク平

表で運ちゃんと交渉していた邵が戻って来た、
「車を借り切ったよ、費用は280元、うまくすると200元」
小母ちゃんの運ちゃんだ。

「...うまくすると...」
の意味が直ぐに判った。
広々とした谷間を玉龍雪山に向う一本道、ゲートが見えて来ると、
小母ちゃんが笑いながら言う、
「カメラを脇に置いて、サングラスを外して」
番人の居るゲートを通り抜けると、
小母ちゃんが振り返り親指を突き出した。
ジェンウェイが説明してくれた。
「此処から先、旅行者は一律に一人80元徴収されます」
土地の中国人に成り済ましたわけだ。


麗江の標高が2400m、
これから行く「(牛偏に毛)牛坪」)は海抜4000m。
玉龍雪山は13の峰が南北に連なり、最高峰は5596mだ。
麗江から玉龍雪山の麓まで矢ジリ状の平野がなだらかに続いている。

暫く走ると、右側の高台にゴルフ場が見え出した。
最近出来たらしい、グリーンも真新しい青さだ。
キャディは、みな、少数民族衣装だそうだ。
これ以上なく澄み切った空気、真向かいに玉龍雪山の雄姿、
最高の立地条件だ。

雲の合間に見え隠れする玉龍雪山が間近に迫ってくる。
振り返ると、麗江の街並みは豆粒ほどになっている。
矢型の平野を行き詰めると、急勾配の山道になる。



「(牛偏に毛)牛坪」へのロープウエイは豪快そのもの、

 

晴れてれば、真向かいに玉龍雪山の全貌が迫っている筈だ。
終点に着くと、ゆったりと傾斜を作る草原が遥か彼方まで広がる。
その草原を、素板で組まれた道が視野の続く限り続いている。

 

 

 

板道に沿って点々と、これまた木造の露店が並ぶ。
民族衣装の娘さん達が、威勢の良い声を張り上げて客を呼ぶ。

 

 

板の道は、まだまだ、続く。

「疲れたでしょう、ヤクに乗らない?」
ジェンウェイが誘う。
ヤクに乗っても、丸太道の終りつく所までは、まだまだ、小一時間とか。
「じゃー、ヤクであそこの上まで行ってみよう」
ポツン、ポツンとヤクが散在する草原を、
ポックリ、ポックリと馬の背に揺られる、快適だ。

 

 

時折、玉龍雪山の雪渓が雲の合間にかを覗かせるが、直ぐに閉ざされる。
草原では、点々とヤクが草を食んでいる。
種々の高山植物の花がチョコチョコっと顔を覗かせる。

 

 

馬から下りて写真を撮る、馬丁が教えてくれた、
「7月になると、此処一面が花で一杯になるんだ。
それに、今はこんな天気だけど、7月になると、
そこに玉龍雪山が広がるんだ、そりゃー綺麗だぞー、凄いぞー」
と、前方に手を広げる。
此処で生活している馬丁が言うのだから間違いない。
ふと、馬丁さんにもそんな絵心が有るのかなぁー、
と馬丁の顔を覗き込むと、普通の馬丁の顔だ。
次は7月を狙おうと心に決める。

ヤクの写真を撮ろうとヤクに近付くと、馬丁が飛んで来た。
「アブナイ、突っ掛かって来るぞ」



時々、観光客がやられるらしい。
此処のヤクは白黒模様、珍しいらしい。