臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

2013-01-01から1年間の記事一覧

続昆明記 13

大理での大失態フビライによって攻め落とされるまで、500年間に渡り雲南の中心地として栄えた大理、8.9世紀頃の地図を見ると、大理国は、ほぼ、日本の同程度の面積がある。4000m級の山々に囲まれた耳の形をした「ジ(サンズイに耳)海」と言う大…

続々昆明記12−1

水掛祭り新年節の最終日、いよいよ水掛祭りが始まる。パンフレットには正午開始とあったが、窓から見ていると、朝から水の掛け合いが始まっている。]居ながらにして窓から祭りが全貌できるホテルに陣取っている。昆明に来る度にお世話になっている邱さんが気…

続々昆明記11 西双版納 タイ族女性の髪飾り

水掛祭りの期間中、近郊から西双版納、正確に言うと、西双版納の中心である景洪へ、人が押し寄せる。とりわけ、曼听公園へ人が集まる。誰も彼もが取って置きのお洒落をし、新年を祝う。公園の中心に立派な仏教寺院がある、ここも彼等の信仰の中心の一つなの…

続々昆明記10

西双版納のジノー族午前中、私は授業、その間Bは専ら美味い物を求めて辺りを彷徨している。午後、合流して一緒に食事をするのだが、彼は肉食、それもゲテモノばかり、そんなゲテモノをツマミにビールを飲むのも慣れて来た。そんな日が幾日か続いて、彼は麗…

続々昆明記8 

九竜瀑布近くに九龍瀑布という滝がある筈だ。地図を広げるとそう遠くは無い。しかし、通りへ出てもタクシーが一向に通らない。向こうに見える街まで行けば何とかなるだろうと歩き出す。3,40分歩いても両側は農家ばかり、街の中心が出て来ない。時折トラッ…

続々昆明記6

羅平の菜の花畑昆明から東方230km程の羅平、ここは菜の花の名所、今が花盛りと聞いて行く気になった。久し振りに、車窓からの眺めを楽しもうと汽車で行くことにする。この辺りは、何億年前の海底が隆起した地層、日本では余り見られない風景が続く。最…

続々昆明記4

街の温泉冷蔵庫にはビールが冷えている。度々の昆明訪問の都度、宿を探すのが面倒なので、部屋は前回から継続して借りてある。まあまあ、生活には困らない広さ、調度も揃っていて、一年の部屋代が日本での一ヵ月分位で済む。ものの5分も歩けば、食堂、市場…

続々昆明記3 

上海「上海に着きましたよー」の声に眼を擦りながらデッキへ出ると、船は既に揚子江の支流に入っている。両岸に懐かしい中国の風景、中国の匂い、中国の音も漂ってくる。 上海で、娘の友人の友人から昆明行きのチケットを受け取る事になっている。電話すると…

続々 昆明記2

上海航路ビール缶を片手にデッキに出る、大阪が次第に小さくなる。瀬戸内海の島々を眺めるのを楽しみにしていたのだが、船は真直ぐ南下、四国沖、九州南端をかすめて上海に向う。視界360度が海、海、その海を見つめる女の子の瞳は清清しく澄んでいる。 喫茶…

続々  昆明記1

新鑑真号 眠れなくなった、雲南が呼んでる。何時ものバンコク経由チケットが仲々取れない。以前、Bさんから聞いていた、「のんびり出来て、食事もまあまあ、気の利いたバーも有るよ」に惹かれて上海航路、新鑑真号に電話してみると空席が充分有る。新幹線で…

成都記 12

紀元前3世紀,戦国時代の秦代に創られた世界最古の灌漑施設、 有名な都江堤の付近を通る、行きも帰りも帰りも素通りだ。 バスが着いたのは城西汽車駅、4、5日前に散々探したバスの発着所、しかも、あの少年が案内したあたりの眼に前だ。あれだけ付近の人に…

成都記 11  四姑娘山6

海抜4523mの巴朗峠に小さな祠がある。中を覗くと可愛い仏像が微笑んでいる。海抜4523mは半端ではない、富士山よりも高いのだ。峠からの下りは豪快だ。 出会い頭にぶつかったらしい一台のトラックが谷底に転がっている。カーブミラーは皆無と言っていい…

成都記 10 四姑娘山5

二時間ほど歩くと桟道が無くなる。原始林に入る。名前を忘れたがこの地方独特の樹だ。5000m、6000m級の山々を背景に清流、赤や黄色の実をつけた樹木、吊橋も有る。所々にヤクが顔を出す。 上高地を遡っている感じだが売店などは一切無い。何人か大…

成都記 9  四姑娘山4

四姑娘山の基地である日隆にはホテルが立ち並ぶ。清潔で内容も良い。夜、羊丸焼きの晩餐会に誘われたがそんな元気は無い。蔵族の銘酒、青裸酒を飲んで満悦だ。今回、残念だったのは、飲友のOさんにご紹介されたこの地区の自然保護区管理局顧問をされておら…

成都記 8  四姑娘山3

車は10分おき位に止まる。 観光ポイントなのだろう。このあたりの住む蔵族の人々は裕福らしい。一軒で80匹のヤクを飼っている。ヤクは貴重な現金収入源なのだ。ヤクの餌は自生の植物でいいのだそうだ。要するに餌代不要で放っておいてもお金に成ると言う…

成都記 7  四姑娘山2

地元の双橋溝観光車ツアーに参加。個人で双橋溝に入るのには別料金が必要だがツアー料金に含まれている。観光車の乗り場はホテルから大分離れている。単独で来たら大変だ。 こんな所に車が入れるのかと思うほど両側に岩が迫り出した狭い谷間に入る。やがて、…

成都記 6  四姑娘山1

6時半出発。幾つかホテルを廻って20人乗り位のバスがほぼ満員。綺麗に整備された高速道を軽快に飛ばす。都江堤の付近を通る。パンフレットには、都江堤を遠望、とあったが、残念、道路工事中で別の道を通ってるとのことだ。広い谷間に巨大な橋桁が建設中…

成都記 5

成都動物園「○○の歩き方」によると、成都動物園には15,6匹のパンダが居て、これは世界中で最多、ここにしか居ない珍しい動物も多いとの事だ。動物園は成都駅からバスで2,30分、場所も判り易い。広い園内をブラブラしていると、甲高い声で泣き叫ぶ声が聞…

成都記 5

三星堆博物館中国のホテルは何処でもそうだが、ロビーの真ん中の大きな机を前にデンと座っている人が居る。大抵がサブマネージャーだ。男性の場合も女性の場合も有る。彼に話を持ち掛けると対応が早い。三星堆までの行き方を尋ねると、何処から何行きに乗っ…

成都記 4

青羊宮、唐代に創建され明代に焼失、現存する建物は清代と言う道教の由緒有るお寺。その名の由来は道教の始祖、老子が青い羊を連れてここを通ったという故事による清朝雍正時代に北京から運ばれた二つの銅羊があり、万病を治すとして多くの参拝者が群がる。 …

成都記 2

武侯祠いわずと知れた諸葛亮、孔明を祀った祠堂。此処は杜甫堂より更に規模が大きい。三国志フアンにとってはたまらないところだ。明時代に武侯祠は照烈廟(劉備の祠堂)に併合され正式な名称は‘漢照烈廟’なのだそうだ。しかし、今もって何故武侯祠と呼ばれ…

成都記 1

成都記1杜甫草堂昆明から成都まで19時間余りの汽車の旅、相部屋の男二人は全く愛想が無い、もっとも、当方のしかめっ面のせいかも判らない。平気で携帯を掛ける。この付近の山河は木が少ない。禿山が頭上から襲い掛かるような渓谷。湖南方面のトンネルの少…

出羽三山記 (9)

最上川下り。ポンポンと威勢の良い山形弁が飛び出す庄内おぼこ。最上川舟歌を聴きながらのゆったりした川下りは至福ものだ。 五月雨を集めてはやし最上川 芭蕉の急流のイメージは無い。案内ガールが、しきりに「怖い川」と言っていたから見掛けよりも速い流…

出羽三山記 (8)

酒田駅前の案内板のスケールで計ると、宿まで500m内外となる。「歩こう」と炎天下を歩き出す。500mの三倍も歩いて、これも古い宿、菊水ホテル。酒田の見所が歩いて行ける距離に転がっている。一服して、早速、遠いい処からと、土門拳記念館。洒落た…

出羽三山記 (7)

翌朝、一品一品、粋な器の朝食、どれもこれも一味違う。床の間のお宝物も値打ち物らしい。 溢れんばかりの笑みを湛えた女将が玄関の外まで送りに出る。何時か筍の季節に再来したいものだ。致道館博物館。庄内藩酒井家の居城、鶴ヶ岡城跡に酒井家及び酒井地方…

出羽三山記 (6) 湯田川温泉

「旨い蕎麦が食いたい」と誰かが言い出した。やっと尋ね当てた鶴岡郊外、羽前大山の蕎麦屋、寝覚屋半兵衛、名前からして旨そうだが、実物もいける。蕎麦と麦切りが半々ずつ、歯触りと喉越しの良さは半端ではない。「蕎麦の香りがしない」との苦情も出た。羽…

出羽三山記 (5)

月山。やっと車がすれ違える山道を登り切ると月山8合目、弥陀ヶ原のお花畑が延々と広がる。ニッコウキスゲの黄金色が眩しいばかりだ。 幾種類もの高山植物が短い夏を貪る様に咲き誇る。叫んでいるようでもある。花の知識に乏しいのが悲しい。突然、霧に覆わ…

出羽三山記 (4)

羽黒山。案内書に、「開山は約1,400年前、第32代崇峻天皇の皇子である峰子皇子が三本足の霊烏に導かれ、羽黒山に登拝し、羽黒権現を獲得、山頂に祠を創建したのが始まりとされている。皇子はさらに月山権現と湯殿山権現を感得し、三山の開祖となった。以後、…

出羽三山記 (3)

湯殿山宿坊、 Tさんの甥御さんが脱サラして、神官となり此処に奉職している。甥御さんが笑顔で出迎える。空気が爽やかだ。 朱の大鳥居が青空に向かい聳え立つ。(Kさん撮影)甥御さんの計らいでお神酒をたっぷり頂く。 湯殿山お神酒で払ふ暑気払い飲み疲れて…

出羽三山記 (2)

直ぐ近くの大日坊、 注連寺に比べ俗っぽい。折角の真如海上人の即身仏も観光材料に化している。周囲の花々は俗を知らない。春日の局が竹千代に徳川家三代将軍たれと極秘で願を掛けたのがこのお寺だそうだ。幾つかの寺宝が並んでいるが、 波分不動明王と言う…