臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

2012-01-01から1年間の記事一覧

初秋の奈良 西大寺

その昔、東大寺とその規模を競った往年の栄華はその礎石に面影を留めるのみだ。 当初は110もの堂宇がひしめいていたと言う。 今回は土地のタクシーを借り切っている。 そのきめ細かさが彼方此方で発揮される、平城京跡の一周もそのひとつ、 居ながらにして凡…

唐招提寺 御影堂

御影堂は閉門、 鑑真和上にはお会い出来ないのだ。 外から中を覗う。 萩が真っ盛りだ。 奈良の壁に萩が良く似合う。 彼方此方を歩き回って、鑑真和尚御廟へ向かう。 と、この苔の見事さ。 秋篠寺の苔を思い出す。 55歳にして日本へ渡る決意をし12年目、6回目…

奈良 唐招提寺

金堂に秋の雲、いかにも平城の姿を醸し出す。 天平の時代にもこの様な雲が出ていたに違いない、 平城の人々はこの雲をなんと呼んだのだろうか。 四天王立像。 奈良時代の作と伝わる、力強い奈良の息吹がひしひしと伝わってくる。 梵天・帝釈天。 唐招提寺の…

初秋の奈良 唐招提寺

唐招提寺 南都六宗の一つである律宗の総本山。 鑑真大和上が東大寺で5年を過ごした後に修行の道場として開いた。 見覚えの在る金堂を正面に見る。 平城宮の建物で現存する唯一の建物だそうだ。 中央に慮舎那仏。 ご本尊の右に釈迦如来、左が千手観音、いず…

初秋の奈良 唐招提寺

薬師寺から唐招提寺への真っ直ぐな道、 多分、古くからの道だろう。 飛び飛びに並ぶ民家、その民家の間を縫って曼珠沙華。 今までにどんな人がこの道を歩いたのだろう。 万葉集に、 「道の辺の壱師の花の灼熱(いちしろ)く人皆知りぬ我が恋妻は」 と柿本人…

奈良 薬師寺大講堂

弥勒三尊像、 弥勒三尊と呼ばれるようになった経緯はややこしくて理解できない。 仏足石・仏足跡歌碑。 日本最古の仏足石、万葉仮名を使って二十一首の歌が刻まれた仏足跡歌碑。 さて、どんな歌が刻まれているのか、何時か紐解いてみたい。 勿論、国宝。 大…

奈良 薬師寺

左から東塔、西塔、金堂。 金堂の薬師三尊像。 中央に薬師如来、またの名を医王如来とも言う。 苦を抜き楽を与えて下さる抜苦与楽の医薬兼備の仏様だ。 庶民に親しまれ頼りにされる。 そして、右に日光菩薩左に月光菩薩。 豪華絢爛だ。 安らぎ、平和と言うイ…

初秋の奈良 薬師寺

中門から中へ入る。 東塔は解体修理中、2019年に解体修復完成だそうだ。 (写真は2010年撮影) 薬師寺で唯一創建当時より現存している東塔、 まさに1300年の雄姿だ。 向こうが西塔、昭和56年再建された、453年振りの復興。 五重塔とばかり思っていたら六重に…

初秋の奈良 薬師寺

薬師寺は興福寺とともに法相宗の大本山、だそうだ。 法相宗と言うのを知らなかった、兎も角、南都七大寺のひとつ。 開基は天武天皇、皇后で後の持統天皇の病気平癒を願って発願した。 薬師寺完成前に天武天皇は世を去った。 天武天皇、持統天皇、天智天皇、…

夕闇せまる法隆寺

ふっと見上げると花梨? 後ろ髪を引かれる様に中宮寺を後にする。 日も大分西に傾いた。 もう一度南大門から参道を望む。

中宮寺

裏の中宮寺、 聖徳太子が母・穴穂部間人皇后のために建立したと伝わる尼寺、 最古の尼寺といわれ、宮家の皇女が入寺される門跡寺院となっている。 また息を飲む。 国宝、木造菩薩半跏像。 言葉が出ない。 慈悲を具現化している。 人の美の極致、しかし、仏像…

法隆寺 夢殿

東大門から夢殿へ向かう。 この辺りの土壁の沿って歩く人々、 国宝、夢殿。 夢殿と救世観音は聖徳太子の祟りを鎮めるため作られた、とも言われる。 夢殿本尊は非公開中だ。

法隆寺 百済観音

聖霊院を過ぎ奥に大宝蔵院、 中心はいわずと知れた百済観音堂だ。 国宝、百済観音。 すらりとした肢体を見て、ハット息が止まる。 美しい! 肩からのなだらかな曲線は繊細にして優雅、 だらりと下がった腕、指先のあたりには艶っぽい倦怠感を感じる。 今や…

法隆寺 薬師三尊像、

金堂。 薬師三尊像、 渡来人の系統である止利仏師作との光背銘がある。 釈迦如来の両脇侍としては一般的に文殊菩薩・普賢菩薩であるが、此処の脇侍は寺伝では薬王菩薩・薬上菩薩と称している。 中央の釈迦如来、彼方此方で観る仏像とは何処か異なる、目鼻口…

法隆寺 五重塔

此処からの五重塔は天下一品だ。 西院伽藍に入る。 国宝・五重塔を間近に眺める、 面白いものを見つけた。

奈良 法隆寺

法隆寺境内で五重塔を見るのが最適と言われる西円堂に向かう。 西院伽藍に入らずに左の方、三経院という美しい細長の建物を左に見て、 一寸小高い丘を登ると六角堂、これが西円堂。 聖武天皇の皇后・光明皇后の母、橘三千代の創建と言われている。 西円堂の…

初秋の奈良  法隆寺

久し振りの法隆寺、ついこの間来たような気もするが、 指折り数えると、十何年振りだ。 此処の門前のアプローチを想い出した。 その昔は向こうの方から歩いてきたような気がする。 南大門の辺りで左右の壁、この壁見て一句捻ったことがあるがその句を思い出…

ドンムを観ないで死ぬのは..

広場に並んだ市で、リンゴとフォアグラを仕入れ、 LAURENCEにもう一度礼を言ってYHを後にする。 丁度、 広場に入ってきた車から降り立った40歳くらいの品の良い日本人女性が怪訝そうにわたしの顔を見て、直ぐ眼を伏せた。 「こんな所に日本人が…

Cadouinの修道院

翌朝食時、引率の先生に 「昨夜、写真を撮ったので、もし送り先が判れば、送ってあげますけど?」 やはり、ドイツの??市の合唱団だった。 彼等の中に、双子の女の子がいる、毎日、衣裳を変えているが、 二人とも全く同じ物に変えている。 衣服、イヤリング…

フランス ペリグー地方の旅 cadouin2

突然、あの歌声が響く、その声の方へ人が流れる。 バーの人達も立ち上がった、私も人の流れの後につく。 何時の間にか燃え盛っている大きなたき火の前で、 紺の上着に白いパンツに揃えた彼等がキチンと整列して歌っている。 たき火の反対側はお祭りの連中が…

フランス ペリグー地方の旅 cadouin

例の少年少女達はまだ帰っていないらしく、宿の中は静まり返っている。 日記付けたり、案内書をチェックしたりして、今日は早寝とするか、とは思ったものの、 広場のバーのおばさんの顔が見たくなって階段を下りる。 入れ違いに、ドヤドヤと彼等が帰ってきた…

フランス ペリグー地方の旅 cadouinに戻る

受付けに何時もと違う女性、20歳になってるだろうか。 色の白い目のパッチリした美人。 一寸、肉が多いかな、とても人懐っこい感じで笑顔があどけない。 CADUINのパンフレットの表紙にある回廊の場所を尋ねると、 「付いていらっしゃい」 とばかりに…

LIMEVIL

成るべく通ったことの無い道を選んだ帰り道で、また、奇麗な街を見付けた。 川幅50Mから100M位の二つの川の交流点、 ほぼ直角に真っ白な石の橋が掛かる。 この辺りの川では河原を余り見掛けない。 川岸一杯まで緑色の水を満々とさせて静かに流れてい…

GROUTTE DE FONT-DE-GAUME

あと一つだけ洞窟を紹介しよう。 GROUTTE DE FONT-DE-GAUME。 ここは予約制だ、着いたのが3時、4時半の予約が取れて一眠り。 客は6人、フランス人の若いカップル、 イギリス人夫婦と小学校高学年くらいの女の子、 ガイドが 「何語…

GROUTTE DE PROUMEYSSAC

直径が5、60Mもある大小の球体を達磨のように重ねた空洞 まるで達磨の胎内のような鍾乳洞、 天井から無数に垂れ下がる鍾乳柱、象の牙のように尖ったシャンデリア。 先端からは絶えず水滴が落ちている。 何億年も続く自然の営みは今も進行中なのだ。 時間…

rouffignac洞窟

フィニャック洞窟。 シベリアで凍ったマンモスが発見されるまで、 ここの洞窟の壁に描かれたマンモスがマンモスだった。 実際に、生きたマンモスを観た人間が存在したのだ。 2.5KMを大きな電動のトロッコで入る。 トロッコの終点からまだ8KMか10K…

レセジ

幾つかの小さな谷を花びらにした芯のように、 谷間にぽっかりと空が明るく開けたレゼジの街、 屋外のレストランで一服する。 ゆったりと煙草を吹かす旅人達。 この付近は古代洞窟の宝庫だ。 公開されている洞窟だけでも数箇所、非公開、未発見を含めたら無…

ラスコー2

案内書にラスコー2と書かれている理由が現場に来て初めて判った。 30年ほど前、一人の少年と三匹の犬で発見されたラスコー、 一万年もの間人類との接触の無かった洞窟に描かれた先史時代の壁画、 芸術としか言いようも無いその絵画に魅せられて押し寄せた…

ラスコー 古代人の住居跡

朝9時一寸前、まだPASTISが少し残っているようだ。 朝食9時まで、を思い出し慌てて食堂を探す。 内庭の反対側の食堂に入ると、20人位の女の子達、 小学校4年生位から高校の3年生くらいまでだろうか、 が両手を膝において畏まっている。 突然、美…

キャドウイン

チェックインの時間に到底間に合わない。 この間のアルルのようなところだとシャットアウトの可能性もある。 途中の街で、何回か電話ボックスを探す。 やっと見付けたら掛からない、カードが切れているらしい。 今度はカード屋探し、右往左往して時間ばかり…