臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

アルル記 10 アルルの女

 

 

 

ARLESへ着いたのは、もう9時に近い、例のレストランへ直行、
今日で、三日連続だ、親父が握手で迎えてくれる。

「今日は、魚が有るぜ」
とニコニコ顔だ。
「貝類が食いたい」
と言うと、
「明日なら新鮮な材料が入るぜ」
これを聞いてからの魚の味は一味落ちる。

折を見ては、名にし負う「アルルの女」を暫し眺める、鑑賞に近い。

f:id:awao331:20120628123251j:plain

f:id:awao331:20120628123232j:plain

f:id:awao331:20120628123047j:plain

ゴッホの「アルルの女」のあの地酒の匂いが漂って来る様な野性は窺えない。
もっとも、ゴッホの「アルルの女」はもう中年を過ぎんとしている女性、
奔放に過ごしたであろう往時を目許口元に偲ぶばかりだ。
何時の日からか「アルルには美人が多い」と言う概念が私の何処かに出来上がっている。
そんな期待にそってくれるのだ。
均整の取れた体付き、端正な顔立ち、黒い髪、はち切れそうな肌・・・。
胸をキチンと張って、なにかしら洗練ささえ窺える。 
幾つかの人種の良い所取りをしてるようだ。
ゴッホの時代のアルルはもう其処に無いのかも知れない。

f:id:awao331:20120628123402j:plain

f:id:awao331:20120628123414j:plain