臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

ラスコー2

案内書にラスコー2と書かれている理由が現場に来て初めて判った。 30年ほど前、一人の少年と三匹の犬で発見されたラスコー、 一万年もの間人類との接触の無かった洞窟に描かれた先史時代の壁画、 芸術としか言いようも無いその絵画に魅せられて押し寄せた人々、 その人々の持ち込んだ細菌で、ラスコーは「緑の黴」で虫食まれてしまったのだ。 今観るレプリカのラスコーからは生の感動は伝わってこない。 案内人の案内はお説教のようだ。  

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 が、忠実に複製された壁画には脱帽。 動物達の絵の豊富さにも驚くが、それぞれの生々しい事! 今にも突進してきそうな4、5Mもある牡牛、おおらかに行進する馬達、 今まさに左右の敵に挑まんとする二匹の野牛、背丈よりも大きな角を持つ鹿の群れ、 馬、山羊、羊、そのどの一つも止まっていない、 非凡なデッサン力。   

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どの絵にも、一万年、二万年前の人類の知性を覗わせる。 我々が先入観を持つ原人、クロマニオンは決して獣では無かったのだ。        

 

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  何十メートル、何百メートルも入り込んだ地中、当然生活の場では有り得ない。 偶然というか、 地中から湧き出る方解石の薄膜で絵の表面が覆われ自然の力で保護されてきたのだ。 それにしても、どんな人達が、どんな目的で、 どんな感情を持って、これらの絵を描いたのだろうか。 興味は尽きない。 有史以前の芸術家達に乾杯だ!