臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

アモイ  客家9

1419年に造られた土楼、





 

流石に現在の住人は只の一家族だけだそうだが、
約600年前、日本で言うと室町時代、
神社仏閣なら兎も角、普通の民家だ。
荒れ方も凄いが其処此処に人の匂い、歴史の匂いがする。


懐かしい声、物売りの声が聞こえて天秤棒を担いだ男が入ってくる。
あの映画「初恋の来た道」に出てきた壊れた茶碗を修理した老人と同じ様な箱をぶら下げている。

 

映画で見たのと同じ様に、どっかりと腰を下ろす。
箱を置き、蓋を開け修理用具を取り出すと、
鍋を持ってきた老人と静かに話しながら修理に取りか掛かる、
全く映画と同じだ。
Aが、
「買った方がやすいのにねー」
と囁く。



今日の土楼は観光化が進み、土楼も辺りも整備が行き届いていて余り魅力が無い。



旅行シーズンになるとこの広場が観光バスで一杯になる。

温泉が有ると聞いて、是非、行こうと言う事になる。
ところが、建物は立派だが通された風呂場は
日本で言う普通の家の風呂場と同じだ。
浴槽、シャワー、ポリの桶と椅子、殺風景この上ない。
山、川の立地条件に恵まれているのに、通りに面している。
経営者は日本の温泉を研究すると良い、とつくづく思う。
しかし、風呂上りのビールは旨い。

夜、運ちゃんの?君が我々を自宅に招待、
奥さん、ご両親、ご家族の心からの歓待を受ける。

 

三歳の可愛い子供さん、
土産のオモチャのピアノを最後まで弄っていた。