臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

続昆明記 17

白族の民族料理「海水煮海魚」

広場を見渡しても目指す「海水煮海魚」を食べさせてくれる様な店は見当たらない。
案内書を引っ張り出す。近くに??亭という名が有る、名前からして「海水煮海魚」
に有りつけそうだ。
バイクタクシーに尋ねると、
「直ぐそこだよ」
再びバイクタクシーを走らす、狭い道を壁すれすれにぶっ飛ばす。
直ぐ其処の筈が結構ある。郊外へ出ると田園地帯、左右は田植え真っ最中だ。
「ここだよ」
大きなレストランを想像していたが、田園の一角のこんもりとした林、
門から察してホテルのようだ。 広い敷地の中、花を愛でながら食堂を探し歩く。



 



だだっ広い食堂では丸い大きなテーブルを囲んだ二組の客、どうも食指が動かない。

門前まで引き返したが、田んぼの真ん中、暫く待ったが、タクシーもバイタクも通らない。
バイタクで風を切って走ってきた道をテクテクと歩き出した。
バイタクなど..と馬鹿にしたが、やはり、文明の利器だ。
半分ほど引返した辺りで、やっと、馬車を捕まえた。

御者の小父さんに、「海水煮海魚」を尋ねると、大きく首を縦に振った。
田園を左右に見てほど良い馬車の揺れ、
街中に入ると両側は年季ものの白族の白壁が続く。
思わぬところで快気分を味合う。





何のことは無い、さっきの広場に戻って来た。
広場からは一寸死角になっている小さな食堂に案内される。
しつこいほど、「海水煮海魚」を確認すると、おばさんは、
「大丈夫、大丈夫」
と言って外へ出て行った。

目の前でバイタクの運ちゃんがのんびりと客を待っている。



ビールを飲んでいると小母さんが小さなバケツを提げて帰って来た。
中では鮒?らしき魚が跳ねている。
「ジ海」は海?の幸の宝庫なのだ。



もう一本ビールを飲んでると、まだゴトゴト煮立っている中皿がテーブルに乗っかる。



鮒と思ったが鮒ではないらしい小骨が少ない。
見掛けによらず、期待した通り私好みの淡白なあっさりした魚料理だ。
一時間は経っただろうか、前の二台のバイタクはまだ動いてない。

帰りは「ジ海」を船で帰ってみよう、と思い立った。
「大理古城へ行く船は喜州から出てますか?」
「ここからは出てない、北へ少し行った所から出てる、俺が馬車で送ってあげる」
今度の「少し」は少しどころではない。
馬車は直ぐに広い舗装道路に出た、大理と麗江を結ぶ観光道路だ。
観光バスが何台も走り抜ける傍らをテクテクと馬車が走る。
ここも田植えの真っ最中だ。



途中で猛烈な雨が降り出した、粗末な布の覆いの間から雨が吹きつける。
旅先での交通機関の選択は慎重を要する。
一時間もして、やっと、波止場に着いた。