臨書の世界

古今寄りの名書を臨書する 

2013-01-01から1年間の記事一覧

出羽三山記 (1)

上越新幹線で新潟まで、新潟から鶴岡へ北陸本線?、 左に日本海、大きな島が見える。「あれは佐渡ヶ島?」新潟生まれのMさんの返事は浮かぬ顔だ、「多分」島は左窓に広がる日本海の大半を占めている。皆、「多分」に納得。(後日談:何と無く腑に落ちない顔…

乳頭温泉 黒湯

乳頭温泉の黒湯だけは入ってみようと言う事になる。さっき来た道を引き返す。 乳頭山登山口の看板で乳頭温泉の名前が理解出来た。 黒湯は比較的空いていた。旅の終わりは、みんな、こんな顔をしているのだ。

玉川温泉

誰かが、「此処まで来たら玉川温泉迄行ってみようよ」と言い出した。一応、乳頭温泉の湯も浴びた事だし、「そうしよう」と言う事に成る。約一時間余り、青さが香るブナの新樹の森を走り抜ける。玉川温泉に近づくと山々が白く染まっている、辛夷だ。やがて大き…

初夏の奥陸奥  田沢湖

清清しいブナの森を大きくカーブを切りながら登ると、今夜の宿、休暇村田沢湖高原。玄関脇には大きな残り雪。 掛け流しの温泉、湯量も豊富で最高だ。白っぽいのと黒っぽいのと二種類の温泉がある。雄大なブナ林の中の露天風呂、何をか言わんやだ。翌朝、乳頭…

初夏の奥陸奥  抱返り渓谷

1km強歩いて真っ暗なトンネルを手探り目検討で抜けると、轟々と滝の音が間近だ。「回顧の滝」と言うのだそうだ。何回も振り返り滝を後にする。

初夏の陸奥道 抱返り渓谷1

角館でレンタ・カー。田沢湖へ向かう道を右へ少し入ると、抱返り渓谷。玉川と言う名の川の色は妖しい紺碧色だ。水量も多い。時には滝のように、時には泉のように蕩蕩と流れる。「田沢疏水」とか「玉川毒水」とかの言葉が気になって調べてみた。抱き返り渓谷…

初夏の陸奥道 角館3

安藤醸造元。 醤油と瓜の漬物を買う。

角館2

青柳家。400年続く家柄だそうだが、石高80石、実高200石としても、石高の割りに中身が濃い。 特に、明治に入ってから収集されたと思われるアンティーク類は目を惹く。オートバイ、蓄音機、時計、カメラ、当時の時代の先端を走っていたようだ。

初夏の陸奥道 角館1

角館新庄に戻って奥羽線で大曲。途中で後三年と言う駅を通る。あの後三年の役の古戦場跡だ。後三年の役の時、源義家が大湿原に雁が乱れ飛ぶのを見て敵の伏兵を発見し難を逃れた「雁行の乱れ」の話は子供心に懐かしい。険しい山中を想像していたが、如何にも肥沃そ…

銀山温泉散策 2

食事前に温泉街を歩く。心なしか此処の河鹿は穏やかに鳴く。温泉街と言っても13軒の温泉宿。 最近出来た足湯に浸かる。電線も地下に埋めたらしい。近代化の中で、大正年間の町並みの風情をそのまま伝承して行こうとしているのだろう。それはそれで大変な事…

銀山温泉散策 1

新庄・銀山温泉左に鳥海山、右手に月山を見て、鶴岡から最上川を遡り、新庄。蕎麦屋を探す。案内所で、「蕎麦の美味しいところは?」問うと、「少し歩くけれど・・」と紹介してくれた店に向かうが仲々辿り着かない。途中、万屋のような店先の男に道を尋ねる…

湯田川温泉 甚内の女将

お宝の絵が掛かっている。 私は日本画の知識は無いが知られた画家の作品らしい。 デッサンが非凡だ。 女将がポスターに載っている。山形県内各町村の美女を一堂に集めたものらしい。 翌朝、我々と入れ替わりに団体さんが着いた。甚内は繁盛しているようだ。…

鶴岡 湯田川温泉の筍料理

湯田川温泉の筍。冷たい雪解け水がしみ入る土の中で芽吹き、春の訪れと共に顔を出す、えぐみのない色白でやわらかいさ、これが美味しさの秘密らしい。また、早朝、収穫から5時間以内のものを「朝堀り」と言い珍重される。掘ってから料理するまでの時間はで…

鶴岡・湯田川温泉甚内

一昨年に続き二度目の鶴岡。庄内藩校・致道館を覗く。 ここでは、荻生徂徠の学風を継ぎ、知識の詰め込みを廃し自学自習を重視した。庄内藩は、家康の側近四天王の一人、酒井忠勝を祖とし、肥沃な庄内平野を背景に幕末まで続いた雄藩である。鶴岡出身の藤沢周…

アモイ  客家10

あッと言う間に三日間が過ぎた。 最終日。簡さんがアモイのまで自家用車で送ってくれる。彼は、運転しながら宿の手配、明日の飛行機の手配を済ませる。有能な彼は、目下、家を新築中だそうだ。この四日間で一か月分以上の収入を得ている。機転が利いて、話題…

アモイ  客家9

1419年に造られた土楼、 流石に現在の住人は只の一家族だけだそうだが、約600年前、日本で言うと室町時代、神社仏閣なら兎も角、普通の民家だ。荒れ方も凄いが其処此処に人の匂い、歴史の匂いがする。懐かしい声、物売りの声が聞こえて天秤棒を担いだ…

アモイ 客家8

自家用車の威力に、簡さんの賢明なサービスが加わり、普通の観光客ではとても辿り付けない所へ連れて行った呉れる。途中で車から降りて歩かなければならない悪路を行き着いた集落、山間の山間、此処の土楼も圧巻だ。谷あいの山道を息せいて登ると眼下に集落…

アモイ 客家7

建屋は4層形式、中心が祭壇のある儀式の場所、3層は客人用、2層は教場、一番外側の1層が四階の円楼、一階が炊事場、二階が倉庫、三,四階が住居。階段を登る、一階毎に別世界に登って行く感じだ。この落ち着きと安らぎは何処から来るのだろう。「時間を超…

アモイ 客家6

今日の宿は湖坑賓館というところ、此処を拠点に二日間の土楼巡りになる。夜、ロビーでお喋りしている傍らで、少し厚めの化粧をした若い女達がマージャンを打ち始めた。中国マージャンは、役、点数が関係ない。何しろ何でも良いから最初に上がったが勝ちだ。…

アモイ  客家 5

客家(はっか)。元々黄河流域の中原に住んでいた漢民族、古代からの北方の騎馬民族との戦いの度に、次第に南方へ逃げ延びた難民の子孫なのだ。難民といっても、由緒正しい衣冠士族達、れっきとした漢民族の一支系として、誇り高く独特の文化を持っている。…

アモイ 客家 3

教えて貰ったトイレにAと連れ立つ。先に入ったAが「ギャーッ」と血相変えて引き返してきた、後も見ないで私の横を駆け抜ける。何事か?と中を覗く。素っ裸の男が100人位居るだろうか、公衆浴場だ。縦100m横50m位か、中国で始めてみる公衆浴場。…

アモイ  客家 3

バスは大平野を快適に走る。ゆったりした座席、道も素晴らしい。途中から道の両側に見渡す限りバナナ畑が連続する。トイレ休憩のついでにバナナを齧る。 この間の姚安付近では、頭から吊るした籠に玉蜀黍が一杯だったが、この辺りのバイクはバナナを満載して…

アモイ 客家 2

清時代の末期の租界地、14ヶ国?の居留地が有ったと聞くが、歴史有る洋館が立ち並んで南欧の小島の雰囲気。荷車を引く人夫の顔付きにも暗さが無い。中国の英雄、鄭成功の巨大な銅像がアモイを見守っている。彼の母親は日本人だ。新旧入り混じったエキゾチ…

アモイ 客家 1

昆明空港で、A、Aのお父さん、伯父さんと落ち合う。今回はこの四人で客家廻りだ。今回の旅はAが付いているので安心だ。彼女は旅慣れているし、交渉力抜群、中国語も堪能だ。お父さん、伯父さんとは、既に一緒に飲んだ仲、気心が知れている。何時もは高級…

室生寺 6

奥の院へ登り掛けたが足が重い。腰を下ろしてお地蔵さんと話し込む。上から眺める五重塔も捨てたものではない。殆ど人影の無い静かな室生寺を味あった。一軒だけ開いていた茶店で熱い甘酒、新緑の季節、紅葉の季節にもう一度訪れたいものだ。

室生寺 5

如意輪観音坐像。 なんとも艶かしい。この作者は明らかに美しさを追及している。そして修復が整った五重塔、勿論、国宝。

初秋の奈良  室生寺 4

弥勒堂。釈迦如来坐像、これも国宝。弥勒菩薩立像。他のお寺の弥勒菩薩では考えられない愛嬌のある面立ちだ。更に登ると、ふっと脇を見ると趣のある小さな祠。これが本堂、室生寺のお堂はどれもどれも屋根が美しい。

初秋の奈良  室生寺 3

十二神将立像。如来の守り神として十二の方角を守る。鎌倉中期の作、無骨の中にゆとりを感じる。それにしても一つ一つが表情豊か、若干オーバーアクション?運慶作と伝えられる。 手持ち無沙汰そうにしていた案内の女性が出て来て教えてくれた。「ご本尊の後…

初秋の奈良  室生寺 2

懐かしい石段に手摺が出来ている。金堂、いかにも風情のあるコケラ葺き、国宝だ。金堂の中、凄い!国宝、重文がずらり並んでいる。国宝、中尊釈迦如来立像、平安時代後期の作。朱色の衣紋の流れが美しい、室生寺様という独特なものだそうだ。国宝、十一面観…

初秋の奈良 室生寺

やっぱり最後は室生寺、電車を乗り継いで室生口大野。バスに乗り換えると直ぐ飛び込んできたのが室生川の向こうに聳える磨崖仏。 懐かしい赤い橋、この下を流れるのが室生川、この川が木津川に流れ込んでいると聞いて驚く、全くこの辺りの土地勘が無い。入り…