チベット記15 チベット記デプン寺
ラサの西北12km、車で一寸の距離。
ポタラ宮の前まで此処が政教の中心だった。
広大な境内の中央にある大集会堂の前まで車で入り込む。
最盛期には10000人の僧侶でにぎあったという。
お堂の中、
おびただしい四角の長い木柱がそそり立つ。
一尺程の太さ、183本あるそうだ。
柱の先の方が細くなっている。
残念ながら、
ラサのどのお寺もそうだが寺院内は撮影禁止。
夜、例によって白酒でまず乾杯。
チベットでは鶏肉を食べる習慣は少ないらしく、
豚肉、羊肉、ヤク肉が主食に近い。
肉が食べられない私には食べるものが少ない。
肉さへ食べられればチベットの隅々まで彷徨でき、
野垂れ死にするも無いのだが、
悔しいことこの上ない。
チベット記13 ポタラ宮
いわずと知れたラサの象徴だ。
東西360m、南北300m、高さが115mの宮殿。
その威容がラサを睥睨している。
建設は7世紀に始まったが、
1600年代、ダライ・ラマ5世の権力化でほぼ完成したとのことだ。
1969年、ダライ・ラマ14世が亡命するまでの300年間、
チベットの政教の中心だった。
部屋数は1000を越えるが見学コースは決められている。
建飛の友人、彼等と同郷のモソ人、がポタラ宮にコネが深いらしい。
裏門のような所からポタラの階段を登る。
標高3650mを思い知らされる。
ポタラの頂上は3765m、ほぼ富士山と同じだ。
何回も深呼吸しながら、一番後から付いて行く。
10段も登ると虫の息、心臓音が聞こえるようだ。
廟内は撮影禁止。
随所随所にお祈りするところがある。
代々のダライ・ラマの霊塔、
即身仏の様な衣装を纏っているが霊像?なのだろうか。
周囲を仏像がずらりと取り囲んでいる。
直径1mもある蝋燭立て、無数の蝋燭が灯っている。
その中に礼拝者たちが蝋?バター蝋かもしれない、
それをスプーンで掬って入れて行く。
そして、
小銭を納めて手を合わせ跪いてお祈りする。
私は、どちらかと言えば、朽ちかけた様な仏像が好きだが、
此処では、彼方此方で仏像を塗りたくっている。
常にキンキラさせているのが此処の流儀なのだろう。
敬虔に祈る人々の方に興味を惹かれる。
仏像を眺める振りをして一心に祈る人を眺めているのだ。
これ程人々が一心に敬虔な祈りを捧げる、その本質は何なのだろう。
一人一人の顔を覗き込む。
喜怒哀楽とは違った顔が其処にある。
絢爛豪華だ。
チベット記11 いよいよラサへ向かう
いよいよラサへ向かって飛び立つ。
やがて、昨日の梅里雪山(だろうと思う)が見えてくる。
その向こうにこの世を隔てるように、
厳しくそそり立つ雪山の絶壁、
そんな雪山の間間に川があり道がある。
こんなところにも生活が有るのだ。
雲海の上に岩石を置き並べたように、
ニョキニョキと雪山の突端が飛び出す。
そんな風景を眺めているうちに、
飛行機は山と山の間を滑るように降下する。
ラサ空港だ。
建飛の彼が笑顔で出迎える。
建飛から大きな赤いバラの花束を手渡された建蔚が照れいる。